日本でペットのマイクロチップ義務化を狙う
子犬や子猫の保護を目的に生年月日などを記録したマイクロチップの装着を義務付ける動物愛護法改正案の素案が明らかになった。
素案は超党派の国会議員有志で構成する「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」が作成。
現在、日本では悪質な繁殖業者が生後すぐに犬猫を親から引き離したり、疾患持ちのペットを売るケースが起きている。素案は秋の臨時国会での提出を目指す。現行法でも生後8週間以内に犬猫を引き渡すことを禁じているが、遵守しない業者が確認されている。そのため、マイクロチップで年齢や病歴を明らかにすることが狙い。チップには生年月日に加え、業者や所有者の名前、ワクチン接種歴などが記録されるが、素案では未装着に対する罰則規定は設けられていない。
日本でのマイクロチップの普及率は犬で約13%、猫で約3%と、装着の義務化(犬)をしているイギリスやフランス、オーストラリアやニュージーランドと比べると、決して高いとは言えません。
どういうものか余り知られていないというのもあるでしょうが、体にチップを埋め込むわけですから、単純に「痛そう」とか「かわいそう」という、“自分がされたら嫌だな”という感情が最初にわきたつのかもしれません。
そうした“ネガティブ”な情報に対し、目的となる“ポジティブ”なリターンは、『迷子や災害ではぐれてしまった際に、すぐに身元確認ができ再会できる』というトラブルありきのメリットなため、多くの方が「まさか自分がそんなことにはならないだろう」と思われているのかもしれませんね。
しかし、直径2mm、長さ8mm~12mmと注射針よりも小さなマイクロチップは、肩甲骨の皮膚の下に挿入する際も、大きな痛みは伴いません。
また一度入れてしまえば、電池なども不要で生涯に渡って使用でき(耐久年数は30年程度)、外側は生体適合ガラスという安全な物質で覆われているため、アレルギーや割れる心配もありません。
それにしても・・迷子にさえしなければいい、という自分の責任で処理できる問題なため、万一の際も監察札で十分だ、と考える飼い主さんは多いでしょう。
しかし、自分のペットという視点だけではなく、“動物の命”というペット全体に視野を広げて考えた場合、この制度の導入で何が見えてくるでしょうか。
義務化することにより、安易に動物を捨てる飼い主、また違法で悪質なブリーダーを抑制することができます。
ペットをとりまく社会全体の倫理の向上につながるのであれば、賛否はあるかもしれませんが、マイクロチップのことを良く知ってみるのもいいかもしれませんね。
「僕は○○に住む○○です」と、犬や猫は言葉で自分を証明することができません。
いつどんなことがあろうと、離れ離れになっても繋がっていて、必ず100%自分のペットだと証明できる唯一無二のアイテム、それがマイクロチップです。
愛情と責任と義務。
なかなか難しい問題だと思いますが、今後どうなるか注目していきたいですね。
by 倉西