去年ニュースを賑わせたヒアリ、あれからすっかり聞かなくなりましたが、その対策は粛々と行われていました。
今月、訓練された「ヒアリ探知犬」がはじめて日本にやってきます。
探知犬は、ヒアリ被害が拡大している台湾やオーストラリアで育成され、その優れた嗅覚で、人間では見つけにくいような小さな巣も発見する能力があるのだとか。
今回来日するの探知犬は、2匹のビーグル犬。
強い毒性を持つヒアリを見つけると「お座り」で教えてくれます。
ただ海外から大量の荷物を載せて届くコンテナなどは匂いが嗅ぎづらく、くわえて1匹190万円とされる育成費やハンドラーの人件費など、費用対効果は未知数で疑問視する声も。
最近ちっともニュースでやらないので、もう終わったことなのかな?と楽観視されている方も多いと思いますが(私もそうでした)、ここで「ヒアリ探知犬」の活躍に期待と応援をすべく、如何にヒアリが脅威な存在であるか、まとめてみました。
その1 仲間意識が尋常じゃない
子供の頃、蟻をたくさん捕まえてきて、一から巣を作るところを観察しようとしたことがあります。
蟻さんはせっせと働いて、皆で協力して巣を作る。そう信じて疑わなかった幼き僕少年がそこで目にしたのは、“協調性”も“愛”もない戦争という惨劇でした。
普通の蟻は、同じ巣の仲間以外は、たとえ同種であっても「敵」と見なし攻撃するのです。
とにかくたくさん蟻を集めたかった私は、公園内を広く歩きまわり、色々なところから採取してきました。だからもう、見るにたえない大乱合戦です。たまたま多く取れた巣の蟻たちは勢いがありましたが、少数派は一匹に四匹くらいで襲いかかられ、手足がピーンと噛まれ何もできず引っ張られていました。
しかしヒアリは、たとえ見知らぬ土地で違う同種と遭遇しようとも、すぐに仲間になりお互いの巣で紹介しあうのです。そして二つの巣が合併し、さらにその力を強大なものにしていきます。
その2 根こそぎ喰らう強さ
極めて攻撃的で雑食性。小型哺乳類でも集団で攻撃し捕食します。
もともとそこで生息していた、小さなコロニーで集団生活する蟻たちに勝ち目はなく、彼らの幼虫はヒアリにとってご馳走なため、すぐに滅ぼされてしまいます。
ヒアリが侵入すると原住蟻がいなくなってしまうため、「危険な特定外来生物」に指定されているのです。
その3 猛毒攻撃がやばい
ヒアリはお尻に猛毒の針を持っていて、刺されると火傷のように傷むためファイアーアントとも呼ばれています。つまりヒアリは火蟻です。
人間が刺されると、非常に激しい痛みで水泡状に腫れます。もっとも怖いのが毒に対するアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすことで、最悪の場合死に至ることも。
いかがでしたか?ヒアリが生息する海外では、うっかり巣を壊してしまった小さな子どもや犬が被害にあっています。一度その地に住みついてしまったヒアリを根絶させるのは、非常に困難です。
ヒアリを日本に定着させないためにも、「探知犬」による水際作戦に期待が寄せられます。
頑張れ!ヒアリ探知犬。
by 倉西