暑かったり、湿気がまとわりつくようだったり、不快な天気が続きますね。
そんな時は、背筋が寒くなるようなお話をして、涼を感じてみませんか。
それでは早速、私からお話ししましょう。
それは、蒸した夜でした。気温は高くはありませんでしたが、湿度が高く、どこか不快なそんな夜。
子供たちも夢の中、静かなキッチンで一人、食器を片付けていました。
そして、ふっと、調味料の棚が気になりました。
食器を片付けるだけなので、開ける必要はないのですが、その時、何故か気になってしまったのです。
特に何も考えず、調味料が入っている引き出しに指をかけ、そっと引きました。
するとね、居たんですよ。
例の、黒いような、茶色いような、例の、ヤツが!!!!!!
長い触角をぴくぴくさせて、ヤツも私を見ているようでした。
私は叫ぶことも、声を荒げることもしませんでした。
一見すると、とても冷静に、立っていたことでしょう。
しかし、頭の中はものすごい勢いで回転していました。
殺虫剤の場所までここから三歩。往復で六歩必要です。
おそらく、その間にこいつは逃げて、別の場所に行ってしまうはず。
しかし、殺虫剤がなくては戦えない。
…。
……。
………。
いざっ!!!!!!
身をひるがえし、できる限りの速さで殺虫剤を手にした私は、同じようにできる限りの速さで戻り、殺虫剤をスプレーしました。
しかし、ヤツはもうそこにはいませんでした。
そう、調味料の棚から移動し、食器棚の中へ逃げて行ってしまったのです。
今、仕留めなければ、平穏は訪れない!!
意を決し、食器を外へ出していくと…。
見つけました。奥に張り付いて、息をひそめています。
また逃げていかないよう、刺激しないよう、ゆっくりと、静かに、食器を外へ出していきます。
そして・・・。
あらかた食器を出し終えてから、ヤツに向かって一直線に、殺虫剤をスプレーしました。
長い戦いが、今やっと、終わったのです。
(夜中0時に始まり、2時頃に終わりました…。)
戦いの後に待っていたのは、棚から出して散乱した調味料と、同じく棚から出した食器たち。
ヤツがいた跡を掃除し、食器をまた元通りに戻すのかぁ…。と、溜息が出てしまう、疲れた夜でした。
さて皆さん、少しは涼を得ることはできましたでしょうか。
私は、ヤツと出会った瞬間と、戦っている時間だけは、暑さを忘れることができました。
ちなみに、殺虫剤とお伝えしておりますが、正しくは凍止させる冷却スプレーを使用しています。
皆さんも、暑いからと言って窓を開けておくと、ヤツが入ってきてしまうかもしれませんよ。
気を付けてくださいね。
スタッフ石井