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環境エンリッチメント

「環境エンリッチメント」とは、動物の福祉や健康の観点から、飼育動物の行動や生態を尊重し、それに合った刺激や選択の余地を与え、その種に適切な行動と心的活動を引き出すための取り組みのことをいいます。

主に動物園などで注目されるようになった「環境エンリッチメント」ですが、ペットに代用することも、もちろん有益です。
例えば動物園で、同じ行動をずっと繰り返している動物を見たことはないでしょうか?
何かに関心を持って動くといった様子ではなく、ただ同じ道のりを行ったり来たり、体をゆらゆらとゆらしたり、病的なまでに同じ行動を繰り返す常同行動と言われるものです。
このような異常行動は、人間が無理に飼育下に置いたことで主に引き起こされています。
そういった退屈な環境、本能を刺激されないストレスに対して、このような「環境エンリッチメント」の考え方が生まれました。
では、実際の環境エンリッチメントについて、その手法を詳しく見ていきましょう。

 

環境エンリッチメントの数ある方法


環境エンリッチメントは、その動物の生態や生息環境などのアプローチから、その取り組み方がいくつかに分類されます。

 

採食エンリッチメント

人間からいつも決まった時間に、決まったものを決まった量だけ与えられる動物は、本来なら一日の大半を餌を探し、捕獲し、食べることに費やす時間が、極端に減ってしまうことになります。
それは、それらに必要な本来あるべき行動種類の減少にもつながります。
餌やおやつを決まった時間ではなく不定期に与えたり、一箇所に集めず敷地いっぱいにバラまいたり、パズルのような敢えて取りにくい容器に入れることで、動物たちの刺激や探究心を満たし、行動改善の効果を上げているのが「採食エンリッチメント」です。

その結果、面白いことに多くの動物は、例え容易に得られる餌があっても、労力を要するものを好んで食べる傾向があることが分かりました。
家庭犬に例えるなら、一日の食餌(いいこと)の回数を増やし、フード玩具などを用いて狩猟本能を刺激し(※複雑な操作を行わないと餌を得られない装置の場合は「認知エンリッチメント」ともいう)、夢中で楽しい時間を設けてあげることでしょうか。

「採食エンリッチメント」の工夫ひとつで、“犬らしさ”“猫らしさ”を引き出し、精神的な満足感も満たしてあげることができます。

 

空間エンリッチメント


飼育環境の構造や、その動物の本能を刺激する遊具、また種にあった床材などによるエンリッチメントのことをいいます。
動物園でいえば、池や梁などの設置物で生息地に近い空間を醸し出したり、ロープやジャングルジムで揺れや高さを利用して、その動物が本来持つ行動パターンに近づける工夫です。

例えばペットにおいても、「登る」ことが好きな猫には、飼育スペースに段差やキャットタワーなど高さも考慮したエンリッチメントが望ましく、ひとつ隠れ場所を用意するだけでウサギの異常行動が低減するという効果も、空間エンリッチメントによるものです。

ちなみに、ある動物園では、フラミンゴは仲間の数が多いほど安心するため、鏡を用いて実際より多く見せるエンリッチメントが行われているのだとか。見らーれるストレスをミラーで補うあたり、まさにその優しさこそが、動物愛護の鑑と呼べますね。

 

社会的エンリッチメント

これは文字通り“社会とのつながり”によるエンリッチメントです。
単独で飼育するよりも、ペアや多頭にした方が行動は多様化されるため、良い関係を築ける同種個体の存在は、飼育動物のエンリッチメントにおいてもとても重要です。
しかし実際は難しいケースも多く、相手の存在がストレスや争いのもとになれば、デメリットにも成り得ます。
動物の種類や時期によっては単独飼育が好ましいこともあるため、個体群密度の調整ができるような十分なスペースや、設備等の飼育管理体制の配慮も不可欠です。

一見、猫は単独生活者だから多頭飼いがふさわしくないと思われがちですが、多くの場合、猫は飼い主と「擬似親子」のような関係性を築いています。そのため「子猫気分」が抜けきらない猫にとっては、潤沢な食餌さえあれば仲間を兄弟のように感じ、有益なエンリッチメントとなります。もちろん、多頭飼いにするタイミングや、個々の性格によってはうまくいかないこともありますが。

ペットが一番多くの関わりを持つ動物といえば、何と言っても飼主さんである“人間”にほかなりません。大好きな人間の存在、例えば私たちペットシッターもそうでありたいように、人との豊かな関わりこそが、ペットにとって最大のエンリッチメントとなるのかもしれませんね。

 

感覚エンリッチメント


動物の視覚や聴覚、嗅覚などの『感覚器官』に様々なアプローチで刺激を与え、“活発な行動”と“活き活きとした心”を保つのが、このエンリッチメントの特徴です。
例えば動物園の肉食動物には、ヤギなど捕食される動物の匂いを染み込ませた布を与えたり、給餌中に鳥の鳴き声を聞かせるなどして、テンションが上がるような刺激を与えます。
森林などの『自然の音』を流すことで、落ち着きを取り戻しストレス軽減につながるのも、感覚エンリッチメントの効果です。

ペットが少し開いた窓に鼻を押し付け、うっとりした表情でリラックスしているのも、自然の風や匂いを感じ楽しんでいるからかもしれませんね。
音の出るオモチャなども、これらの感覚を刺激しますので、紐で結んだり数種類用意するなど、飽きさせない工夫をして上手に活用したいですね。

 

まとめ

私たち人間は、自らの意思で様々な選択をし行動に移すことができますが、限られた環境で飼育下にある動物(ペット)たちは、良かれ悪しかれどうしてもその『制限』ができてしまいます。
質の良い食餌で健康面に配慮し、ケガや病気をさせないよう室内飼いやワクチン接種で長寿になりましたが、だからといってイコール“それが幸せ”と直結できるものではありません。

もし皆さんが「趣味」や「仕事」を取り上げられ、適度な運動と栄養バランスの優れた食事を管理され、雨風がしのげる部屋でずーっと過ごしていいと言われたら・・・それはそれで「つまらない」し、何もせずして得られ、それ以上でも以下でもない満足感に、もしかしたら「無気力」になってしまうかもしれませんね。

ペットたちが“犬らしく”“猫らしく”、そして何より人間がその動物たちと楽しく活動的に暮らしていく工夫が、環境エンリッチメントには詰まっています。

ペットシッターSOSでは、これからもお留守番のペットのより良い環境を第一に考え、少しでもシッターとの時間が楽しくなるよう創意工夫してお世話に取り組んでいきたいと思います。

 

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