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ペットと乾燥

冬のペットシッターのお世話は、寒さや暖房器具の注意に加えて、「乾燥」についても気を遣います。
ペットも乾燥により人間同様皮膚の潤いを失いますので、カサカサの肌はかゆみを帯び、フケも出やすく、ひどい場合はパッドなどにひび割れを起こすこともあります。

また、私たちでさえイタッとびっくりするほどの静電気ですから、体のずっと小さなペットの衝撃を思えば、これも無視できない乾燥攻撃のひとつといえます。
まして、動物たちにはそれが「静電気だから」という理由さえ分かりませんので、シッターさんの手からバチバチと「嫌なもの」が出ては、困ってしまいますね。

 

乾燥がペットに与える影響

しかしそもそも、裸で外を走り回る動物が、乾燥肌なんて気にするのでしょうか?
ペットが乾燥肌を気にするかどうかは別として、犬や猫はいくら被毛に守られているとはいえ、表皮の厚さは人間の3分の1〜5分の1と、私たちと比べても驚くほどデリケートにできています。

そして皮膚の乾燥は、皮膚本来のバリヤ機能を崩すため、細菌感染や湿疹も起こりやすくなります。加えて冬場は暖房機によりさらに空気の乾燥に拍車がかかるため、弱った肌にホットカーペットで低温火傷を招くなど、ペット周りの環境にも悪影響を及ぼします。

また、本来ならウイルスをシャットアウトする鼻や喉の粘膜も、乾燥によってその機能を低下し、空気が乾燥すればするほどウイルスが空気中を漂う時間が長くなるという悪循環も。
これらのことからも、少しでも乾燥からペットを守ってあげる必要があります。

 

ペットの乾燥対策

加湿器を使って、適度な湿度(40〜60%)を保ちましょう。
・・以上。

では、あまりに答えがドライすぎるので、まずは環境から見ていきましょう。
暖房機による乾燥や酸素不足から、冬は特にお部屋の換気を頼まれることが多くなります。空気を循環させることで多少は乾燥を防ぐことができますが、冬は外の空気も冷たく乾いています。また、せっかく取り入れた新鮮な空気も、必要以上に暖めてしまえば、またすぐ乾燥した空気に早代わりしてしまいます。
理科の云々はさておき、温度が上がれば湿度は下がり、温度が下がれば湿度は上がるというシーソー理論で、エアコンの温度設定を必要以上に上げない、少し低くするのも方法です。
濡れたタオルを干したり、危険がなければお風呂場のドアを開ける、観葉植物の自然呼吸など『エコな加湿方法』もありますが、いずれにしても窓を開けて換気する際には、私たちペットシッターはペットの脱走や鍵のかけ忘れに最善の注意を払います。
 

乾燥から守る足裏のケア


乾いた外気、冷たく硬いアスファルトの散歩は、思った以上にパッドにダメージを与えます。
犬猫の足裏は、もともとフローリングやアスファルトなど硬い地面を歩くようにはできていません。
それでも順応し、パッドの表皮が厚く硬くなりますが、中にはザラザラに皮がめくれ、角化症になってしまうこともあります。

保湿クリームはそれらを予防し、潤いを与え乾燥を防ぐことで、健康な皮膚状態を保つことができます。
また、保湿剤によっては滑り止めタイプのものもありますので、老齢で足腰の弱ったペットにも有効です。ただしペットが舐めても大丈夫なように、天然成分のものを選びましょう。

保湿シャンプーで体を洗うことも有効ですが、美や健康は内側からと、良質な植物性脂肪酸が含まれたフードで、体の中から潤い補給するのも良いでしょう。ただし、脂質の与えすぎは消化不良や皮脂の酸化による体臭、肥満にもつながりますので、適量を超えないようにご注意ください。

また、ペットと接する人間側の乾燥を防ぐことも大切です。人間用のハンドクリームにはラノリンという成分(羊毛から取れる天然オイル)が含まれていて、これが被毛をコーティングし静電気を遠ざけますので、その手で撫でてあげることでも乾燥を遠ざける効果があります。

 

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