ペットシッターSOSでは、お客様宅に他のペットの被毛を持ちこまないよう、お世話ごとにエプロン(または服や靴下)を変えたり、衛生用具を用いてクリーンな状態を保つなど、衛生管理に徹底しています。
そしてシッターが季節に応じて服装を変えるように、種類や室内飼育での照明、冷暖房など“生活環境”による個体差はありますが、犬や猫も春と秋頃に“換毛期”という衣替えを行います。この時期はお散歩後のブラッシングでも大量の被毛が抜けますが、間違っても風で飛散しご近所の迷惑にならないよう、十分注意して行います。
ペットの換毛期
換毛期は特に抜け毛が多いというだけで、日常的に被毛は生え変わっていますが、犬ではこの「換毛期」自体が無い犬種もあります。比較的暖かい地域で改良されたヨークシャテリアやマルチーズ、プードルやボクサーなどの一般にシングルコートと呼ばれる種類です。それに対しダブルコートと呼ばれるハスキーやコリー、レトリバーなどの主に寒冷地で生まれた犬種には、太くて硬い上毛(トップコート)に加え、寒さから身を守るため細く軟らかい下毛(アンダーコート)も密集しており、この下毛が季節の変わり目にまとめて生え変わるのです。
被毛は体温調節や皮膚を守るために重要な役割を果たしますが、抜け毛や死毛(毛根の死んだ毛)をそのままにしておくと、絡まってフェルト状に固まってしまい、ブラッシングが困難でペットに痛い思いをさせるだけでなく、皮膚が蒸れて濃皮症などの細菌感染を起こしやすくします。
また特に猫の毛は細く抜けやすいので、換毛期の時期はいつも以上にセルフグルーミングによる毛玉に悩まされることになります。
健康な被毛には「栄養」と「環境」が欠かせない
掃除をしても掃除をしても・・・すぐにフローリングが毛だらけになり、カーペットなどいたる所にペットの毛が絡みつき、小さな体でよくもまあこんなに抜けてハゲないなと思ってしまいそうですが、それもそのはず、犬や猫はひとつの毛穴から12本前後もの毛が密集して生えているのです。
被毛は「成長期」→「退行期」→「休止期」という一定期間(毛周期)で生え変わり、体温を保つ以外にも雨や雪の浸透を防ぎ、紫外線や外傷からクッションとなって皮膚を守る役割も果たしています。
ちなみに冬は、体温を保つために多くのエネルギーが使われるため、被毛にまで栄養がまわらず休止期となります。
最近では洋服を着せるペットも増えてきましたが、基本動物はその身一つで暑さも寒さも凌いできました。まさに被毛はペットにとって切っても切れない、大切な一張羅なのです。
そんな年中“勝負服”のペットたちには、シャンプー・カットなどの見栄えもさることながら、よりつやつやと輝く綺麗な被毛をキープするために、何より『健康』が大切になります。
緊張やストレスから毛が抜けてしまうように、“健康”は栄養面のみならず、心身ともに健康である必要があるので、栄養バランスの優れた食事同様、ストレスの無い環境作りにも気を配りましょう。
そして、冬の換毛シーズンは、暖房機にも注意しましょう。
もともと暑い地域出身の猫は、特に“暑さに鈍感”なところがあり、チンチンに体が熱くなってもなお、ストーブの前を陣取って離れなかったりします。被毛は「寒さ」だけでなく「熱さ」まで適度に遮断して体に伝えるため、被毛が焦げても気付かないこともあります。
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