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猫の行動に見る心の動き〜昔から言われるウソ?ホント?

猫は気まぐれで、つかみどころのないところが、また飼い主さんの心をつかんで離さなかったりしますよね。
すり寄っては、プイと離れ。知らんぷりしていたら、膝の上に乗って眠ってしまったり。
周りに流されないマイペースな猫のお世話は、ペットシッターも「今日は遊んでくれるかな?」「ノッてくれるかな?」と、リアクションも楽しみのひとつだったりします。

ペットシッターSOSでは、猫の専門家の加藤由子先生(先生の著書一覧はこちらから)による指導で、猫の習性やお世話のポイントを学んだペットシッターが対応致しておりますが、昔から猫にまつわる「行動と心の動き」って色々と言われていて、どれが本当なのかよく分かりませんよね?

今回はそんな”猫の心と行動の関係”をテーマにしてみましたので、これまで信じていたウソ?ホント?を整理して、より一層猫の世界に近づいてみてください。

 

猫は人間のやっていることを邪魔したがる?

新聞を広げて読んでいると、猫が新聞紙の上に乗ってきてゴロンと寝っ転がる・・。
パソコンを立ち上げて作業しようとすると、必ずといっていいほど猫がキーボードの上に飛び乗ってきて邪魔をする・・。
そんな経験をされた方も多いのでは?
忙しいときには「猫の手も借りたい」なんて言いますが、逆に急ぎの仕事があるときに猫に邪魔されたら、たまりませんよね(笑)

さて、そんな俗に言う“邪魔猫”ですが、まさか猫が「新聞の上の文字を読んでいるな?じゃあそこに乗って視界を遮ってやろう」なんて小悪魔的な発想を抱いてやってくるわけではありません。
基本的に猫は、何かの中に入ったり、乗ったりするのが大好きな生き物です。かつそこにじっとしている飼主さんがいれば、飼い猫は「大人になっても“子猫の気持ち”を多く残している」動物ですので、飼主の顔の前で寝たい、飼主のそばでくつろぎたい、と思ってやってくることがあります。

そして、そこには「構ってもらいたい」という気持ちも含まれているので、「もー、邪魔だなー」なんて言いながらもついつい撫でたり、場合によっては文字を読むため足や尻尾を持ちあげたりすると、それが猫にとっては心地よい“ちょっかい”になり、さらに快適な場所として記憶し、行動の頻度も高まるようになります。

“邪魔”という擬人化した猫の行動が可愛くて、「このこのー」とついつい構いすぎてしまうと、今度は逆にプイッとどこかに行ってしまう。そのクールさ、もてあそばれた感、これが飼主の心をさらに虜にしてしまうのでしょうね。

 

猫は死が近づくと姿を消す?


これも昔からよく言われている迷信(?)のひとつですが、もし猫との生活が最初から今のようなスタイル(室内飼いが主流)だったなら、このような迷信は生まれてこなかったでしょう。放し飼いが当たり前だった時代の、まさに“昔の言葉”ですね。では、昔のことだとしても、なぜ猫がそのような行動をとったと多くの人が感じたのでしょうか?

昔は猫を「外飼い」、または「“半”外飼い」するのが一般的でした。放し飼いということは、当然外には自分のテリトリー、縄張りも持っていたはずです。
昔の時代、きっと今ほど大切に飼われていたわけではないでしょうから、家の中でも「居て良い場所」「いけない(怒られる)場所」は決められていて、誰にも邪魔されない“自分だけの安息の場所”は、むしろ外の方にあったのかもしれません。そして飼主(?)なる存在も、当の飼主さんは自分ひとりと思っていたかもしれませんが、猫にとってのエサ場(人間宅)は複数あり、病気やケガで具合が悪いところを、そのどこかのお宅で発見され保護されてしまうケースもあったことでしょう。
どこかで保護されてしまえば、そのままそこで暮らしたり、亡くなってしまうなどして、もう飼い主と会うことはありませんからね。

そして何より、外の世界で生きるということは、より野生の力を要すことになりますので、現代の室内猫では持ち得ない“大人猫としての独立心”をしっかり持っていました。猫に限らず野生動物は、外敵から身を守るため、具合の悪い時はひとり静かな場所でじっとしています。数日間、そこで休んだらまた飼主宅に顔を出すこともあれば、そのまま亡くなってしまうこともあったでしょう。家の軒下、物置の裏で偶然それを見つけた飼主が、「ああ、こんなところで・・」と猫の不憫な行動を憐れんで、「猫は死に場所を探す」と、人間なりの解釈をつけたのです。

 

猫は捕えた獲物を自慢しにくる


「獲ってきたセミやネズミなどの戦利品を、自慢げに飼主に見せにくる」というのも、よく聞きますね。お土産だと言わんばかりに、飼主の前でぽとりと落とし差し出すことも。外を自由にさせている猫で、このような“拾い癖”がある子のお世話は、ペットシッターも毎回ドキドキしてしまいます(笑)

通常、猫は狩りで仕留めた獲物を安全な場所まで運んで食べますが、飼育猫はお腹は満たされていますので、「狩る」⇒「運ぶ」という本能しか作動しません。“獲物を見た!”でスイッチが入ると、「狩る」⇒「安全な場所に運ぶ」⇒「運ぶ…」と、そこで本能の回路が途絶えてしまうのです。

そしてその安全な場所が『家』であり、普段からご飯をくれる『飼主の前』なのです。
ただ困るのが、持ってきても食べる気はないので、振り回したり遊び道具と化すことです。実写版トムとジェリーは、R指定がつくほど見るに堪えない惨劇ですので、外を行き来する猫の場合は、私たちも十分注意してお世話にあたります。

 
いかがでしたか?
昔から言われている猫の気持ちや行動、人間が勝手に思い込んでいるところもあったでしょうが、いずれにしても私たちには愛苦しく、心をくすぐられる行動に見えますね。

 

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