先日放送された『進撃の巨人』最終回の感動が、まだじんわりと残る今日この頃、その後味は昨今の世界情勢と残酷にもマッチし、これは何か強引にでもペットと結びつけてブログを書かなければ~と拳を胸に当てずにはいられなくなりました。
『進撃の巨人』を未読の方も、それが“巨人と戦うバトルもの”という、ざっくりとした理解があるかと思います。
しかしこの漫画では、バトルものには必須の敵(いわゆる悪役)が、全然いないのです。
いないどころか、見方によっては主人公が一番悪者なんじゃないかと思えるほど、単純な勧善懲悪ではない、複雑に絡み合った世界観を楽しめます。
もちろん、最初は憎い敵(巨人)に、『駆逐してやる!』と感情移入できました。
そして仲間の裏切り、敵が巨人から人類へと移行していく中で、都度驚かされ『駆逐してやる!』と揺さぶられはしたものの、何とまあ不思議なことでしょう、結局のところ出てくる敵という敵が、誰ひとり悪くないのです(個人の感想)。
価値観や憎悪の対象は、その環境に由来するところが多く、たとえば犬や猫だって、育ってきた環境や経験から得られた学習によっては、同じ種類姿形でも、その性質は全く異なります。
そして私たちペットシッターは、色々なペットのお世話を請け負います。
なかには臆病で神経質なコがいたり、大胆で活動的なコ、お散歩中他の犬や人に攻撃性を見せるコなど、様々です。
しかし、そのどれもが決して“悪く”はないのです。
一般的には、ついつい比較して良し悪しを決めてしまう傾向がありますが、ペットシッターはそのコの個性をリスペクトし、安全で少しでも楽しくリラックスできるお世話環境を提供させていただくだけです。
動物の世界も「進撃の巨人」同様“残酷”なものかもしれませんが(特に野生は)、本来は生まれた時から自由で、だからこそ全ての行動は正しく、その動物にとって意味のあるものです。
『犬はいつも正しい』は、ペットシッタースクールの講師、鶴岡先生(ペットシッターSOS千葉南店代表)の名セリフでもあります。
立ち位置が変われば、また新たな感情や考えが生まれますので、しつけも然り、ペットの行動に対し「正しい」「悪い」など一方的な価値観で決めつけず、ぜひ人とペットの壁を取っ払ったフェアな共存関係を目指していただければと思います。
by 倉西