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クレートトレーニングをマスターしよう


今日は関東で大雪が予想されており、既に新宿でも比較的大きめの雪粒が吹雪いてきています。
私のデスクからも雪の様子がよく分かり、しかも今回は4年前の大雪と同じくらい降るんじゃないかと予報されているため、ペットシッターのお世話や移動の困難さを度外視すれば、ちょっとテンションが上がってしまいます。

4年前の集中豪雪も、すごかったですからね。
東京都心で45年ぶりの大雪となった翌週、今度は100年以上の観測史上最大の大積雪と、“二週連続の大雪”に見舞われ、一気に交通網が麻痺しました。

ちょうどペットシッタースクール【通学コース】が開催されていたため、朝電車が止まったら大変だと、会社近くのホテルに泊まったのを覚えています。
ただでさえ受験シーズンと重なり部屋が取りづらい上での大雪でしたから、近隣のホテルは全滅で、カプセルホテルしか空きがありませんでした。
 

ペットホテルはカプセルホテルに近い?

慣れないカプセルホテル・・たまたま豪快なイビキをかく人が近くにいたこともあり、デリケートな私はほとんど眠れませんでしたが、ペットホテルがちょうどこんな感じなのかもしれませんね。
ただ人間は自分の意思で、いつ帰ると分かった上で泊まっていますから、飼主さんも不在の慣れない場所、他の動物の匂いや気配を感じる環境が、どれだけペットにストレスを与えるか想像に難くありません。
動物は「明日飼主さんが帰ってくる」、というような時間的概念は理解しませんから、「今」この不安がずっと続くことになります。

もちろん、決してこれはホテルを否定しているわけではなく、そんな中でも環境適応力があり、クレートなどで過ごすことに慣れているペットにとっては、そこまで不安感なく過せるかもしれませんし、少なくともクレート内にいる限り「安全」は保証されます。
 

クレートは犬にとって狭くて不快なものではない

また、人間感覚で“カプセルホテルは窮屈だ”というのと、元々狭い巣穴を安心出来るスペースとして寝床にしてきた犬猫では、テリトリーに対する意識も根本的に異なります。
我々だって、鬼のように広い、それこそ体育館みたいな部屋にぽつんと布団を敷かれても、無駄に広い空間が怖くて不安で、落ち着きませんよね?
それなら、まだ隣の雑多で狭い倉庫室の方が、安心して眠れるかもしれません。


そういった意味でも、日頃からクレートトレーニングをしておくことは、ペットにとっても大変有益なことなのです。
やむを得ず預ける場合以外でも、地震などの有事の際に、クレートは上から落ちてくるものや下のガラスなどからペットを守り、安全に移動させることができます。かつそれがそのまま寝床になり、ペット自身が避難先でも大勢の人目に晒されることなく、安心して落ちつけることにもつながります。

もちろん、そのためには日頃から「クレートに慣れさせる」必要があります。
人間のように、これは安全で便利なものだから、困難を克服して頑張ろう!とはなりませんので、「慣れさせる」=「クレートはいいところだ」と学習させることに他なりません。
 

クレート内は「いいところ」と学習させる方法

クレートは、来客中で犬に大人しくしていてほしいとき、また人間が食事中などペットに出てきてほしくないときだけ入れておく使い方をする人も多く、どちらかといえば“ペットにとっては不本意だけど入っていてもらう”ことが多かったりします。

そのため、飼主さん自身もクレートに入れておくことを申し訳なく思っていると、今度は出して上げたときに過度に声を出したり構ってあげたりして、逆にペットに「やっぱりクレートの外の方が楽しい」と学習させてしまうことにもなります。
「クレートから出ることは何でもないこと」と無視するような接し方をするよりも、クレートの中でも十分「いいこと」が起きていれば、出て来たときに例えスキンシップをとっても「ギャップ」にはなりません。そのため、クレートトレーニングでは、入るときだけではなく、出てくるときの『解除』の言葉も教えておくのが理想です。

<クレートトレーニングの方法>

・ご飯はクレートの中で与え(お皿で上げてもいいですし、一粒ずつ放り込めば、それだけ「いいこと」の回数を増やすことができます)、入るときに「ハウス」などの号令をつけます。
・クレートに入った直後に、マシンガンのようにバババババッと大量のフードを放り込み、これでもかというほど「美味しい雨」を降らせます。
・クレートに入っても、ペットが出ようとしたら、無理に「待て」などと引きとめず、ペットの意思で出してやります(閉じ込められるわけではない。自由に出入りできることを学習)。
・クレート内にいる限りは、定期的にフードなどのご褒美を入れますが、それができない場合は長く噛んでいられるおやつや、コングなどにフードを詰めて長時間楽しめる工夫をします(クレート内にいるときは「いいこと」が起きることを学習させます)。
・クレートから出すときに、「OK」など解除の言葉をつけ、フードなどを与え「いいこと」を起こします。つまり、入った直後も、入っているときも、出たときも「いいこと」が起きるように学習させます。

クレートトレーニングができれば、チャイム吠えなどのしつけもしやすくなりますので(ペットシッターコラム「犬のチャイム吠え」)、普段のしつけやいざという時のペットの安全確保のためにも、ぜひ教えておきたい“しつけ”のひとつですね。

 

後書き

もちろん、それでも普段と環境が変わることはペットにとって大きなストレスになりますので、ぜひお留守番のときにはペットシッターの利用をご検討ください^^
ホテル経験者なら特に、帰って来たときのいつも通りの元気なペットの様子に大変驚かれ、満足いただけるものと思います。

では、大雪でドカンと積ってほしい気持ちもありますが、やはりお世話の困難さから、そこまで積らないよう祈り、その結果どっちに転んでも嬉しいというクレートトレーニング方式で今宵の雪を迎えたいと思います。

by 倉西

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