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食事の満足度を上げる考え方

今年は心なしか、いつもより秋の訪れが早いように感じます。
何もなかった夏が去っていく名残惜しさもありますが、個人的には私のフェイバリットシーズンでもありますので、あとはこの暑くも寒くもない“ちょうどいい季節”が、少しでも長く続くことを願うばかりです。

 

朝夕のお散歩も快適になり、何より熱中症の心配がなくなったのは、ペットを飼っている方には等しく嬉しいことでしょう。

夏に落ちていた食欲も戻ってきて、モリモリ食べるペットの様子が嬉しくて、ついついあげすぎてしまう~なんてことはありませんか?

しかし動物は人間と違って、「よし、一念発起してダイエットするぞ!」なんて感情は、絶対に芽生えません。
食欲があれば、出されれば出された分だけ食べてしまいます。

そもそも、黙っていても食事が出てくる~という環境が、生命にとってとても異質といえるでしょう。

人間はもちろん働かなければ食べていけませんが、野生の動物もその目と鼻と牙を駆使し、一日の大半を獲物を探し捕食することに費やします。
もしライオンの前に必要十分なエサがぽんぽん出てくれば、だれも狩りに出かけようとしないでしょう。

ライオンをライオンたるものとしているのが、そうした野生の本能であり、生き抜くために得た習性です。
そしてそれは、犬や猫にも少なからず備わっています。

 

犬は散歩やニオイ嗅ぎが大好きだし、猫は「やるぞ~」と爪とぎしたり、動くものを“本能”で目で追い手を出します。

こと“食べる”ことに関してだけは、いつまでも子犬・子猫気分のまま親が運んでくるものに依存し、そしてそれは愛玩ペットである以上当たり前なことで、こればかりは自立のしようも、その必要もありません。
問題は、だからといって“獲物を探す”という本能が消えるわけではない、ということです。

 

ですので、ただお皿に入れて与えるばかりではなく、たまには知的玩具や遊びの中で、そして“宝探しゲーム”のように部屋の至るところに隠し、それを自力で見つけて食べる~というある種の達成感もスパイスに入れてみてはいかがでしょうか?

これを専門用語で「採食エンリッチメント」といい、たとえば簡単に得られるエサよりも、本能を刺激しそれを満たしながら得られるエサを優先的に食べる、という研究結果もあります。

一仕事した後のビールの方が美味しく感じるのと同じですね。
動物の生活環境を考える上では、採食エンリッチメント以外にも、社会的エンリッチメント、空間エンリッチメント、感覚エンリッチメントなど(これらを総合的に『環境エンリッチメント』という)がありますので、詳しくはこちらのコラムもぜひご覧ください→ペットシッターSOSコラム『環境エンリッチメント』

ということで、食欲の秋。
ただフードを上げるのではなく、ペットの満足度をぐんと上げる“与え方”を楽しんでみては?

 

by 倉西

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