本部スタッフの倉西です。
最近では、新型コロナウイルスの猛威を伝えるニュース一色で、いったいどこまで感染が広がるのかと戦々恐々の思いです。
マスクやアルコール消毒剤などが売り切れ続出で、大量に箱買いする人も多いのだとか。
でも、本当に必要な人にマスクが行き渡らなければ、それだけ感染が拡大するリスクも高まり、引いては“買い占める人自身”の首を絞めてしまう気もするのですが・・。
また、発生地となる中国の『武漢』という地名も、武道の「武」に「漢(おとこ)」と書いて、いかにもウイルスまでもが気合入ってそうなイメージです。
今朝の報道番組では「もしかしたらオリンピックが一年延期になるかも?」なんて話しも出ていましたので、本当に一刻も早い収束を願うばかりですね。
厚生労働省のHPでは、予防対策として「咳エチケットや手洗いなどを行っていただくようお願いします」と書いてありますが、正しい手洗いとは?どのような方法で洗うのが正解なのでしょうか?
ペットシッターにとっても「手洗い」は衛生管理の基本中の基本ですので、今回は『感染予防に最適な手洗い』についてまとめてみました。
一番多い感染パターンは「手」
当たり前ですが、人間は手を使って様々なモノに触れます。ドアノブ、手すり、電車のつり革など、公共の場で不特定多数の人と“間接握手”する機会は、数え切れないほど溢れています。
そして、それらには目に見えないウイルスがたくさん付着していて、その手で無意識に目や鼻、口まわりを触れることで、粘膜から感染を起こしてしまいます。
よく、風邪やインフルエンザの予防には「手洗い/うがい」と言いますが、うがいよりも圧倒的に「手洗い」が推奨されていて、『手』が感染原因となる様々な病原菌から守ってくれます。
「手洗い」は習慣が大事
朝起きて顔を洗う、食後に歯を磨く、などのように、帰宅後、食事の前、トイレの後など「手を洗う」タイミングもそれぞれあるかと思います。
しかし、その洗い方はまちまちだったり、ちゃちゃっと手のひらや指先を水で洗い流して終了する方も多いでしょう。「水で流せば大概のものはキレイになる」という先入観があり、明らかな汚れがなければ、私も儀式的にスピーディーに済ませてしまっています・・(もちろん、ペットと接するときは別ですが)。
しかし、実際は洗えているようで全く洗えていなかったりもしますので、『正しい手洗い』の習慣をつけておくことが、まずは予防対策の第一歩となるでしょう。
正しい手の洗い方
外科医が手術前に念入りに手を洗いますが(医療ドラマなどでよく見る)、あのやり方が“完璧な洗い方”とはいえ、さすがにそれを習慣にすることはできません。
ちなみに、ドラマなどでよく見る「肘を曲げて指先を上に構える」あのポーズですが、あれは「水が指先から流れてゴミやバクテリアを肘に向かって流す」役割があるそうです。
『正しい手の洗い方』は、とにかく石鹸でゴシゴシ洗うこと、それだけです。
手のひらや指先はもちろん、手の甲や指の間、爪の間は手のひらでこすり合わせるようにして、可能であれば手首から少し先の部分まで洗います。
10秒(結構長い)も洗えば十分ですが、推奨されているのは20~30秒だったりします。
普段石鹸で洗わない人は、パパッとでもいいので、まずは石鹸で洗う習慣作りからはじめてみましょう。
市販のアルコール洗浄は完璧?
病院の入口などに置いてあるプッシュ式のアルコール洗浄。手洗いできないときに重宝しますが、あのようなアルコール消毒薬があれば、手洗いの必要はないのでしょうか?
答えは、『石鹸で手洗いできる環境があるのであれば、まずは手洗いをする』のが正解です。
理由は、目に見える汚れ、見えない病原菌の有無に関わらず、手洗いをしてから消毒薬を使う方が効果的だからです。
ペットシッタースクールの講師でもあり、獣医師の先生はこのように言います。
消毒というと、アルコールなどの消毒薬をイメージする方が多いと思いますが、(病気の媒介役にならないという観点からの)石鹸で手を洗うということは立派な消毒作業です。平常生活で外出から帰ったら「手洗い・うがい」と言いますよね。
インフルが流行ったからと言って、各家庭に消毒薬を常備することは勧められてないですよね。よくないパターンとしては、消毒薬を正しい用法で用いないということです。消毒薬には標的とする菌を瞬時に殺す作用はありません。消毒薬と菌とを必要な時間だけ反応させることで殺菌が行われます。消毒薬を過信し、消毒薬を使用したので高度な消毒が行われたと勘違いをしてはいけません。例えば、回虫症などであれば消毒薬の消毒効果対象にすら入っていないかもしれません。
今では、持ち運びに便利な手指消毒薬もたくさん市販されています。
こうしたアルコール消毒製品なども合わせて、基本は薬用石鹸による水洗いを主軸に、適切な『手洗い』で感染予防に努めましょう。
by 倉西