犬が咥えているものを『ちょーだい』の合図で渡してほしいとき、ただ取り上げて「それでおしまい」ではフェアじゃありません。
「ちょうだい」「ちょーだい!」「ちょーだい!!」と何度怒鳴って手を差し出したところで、犬は獲られまいと唸ったり、場合によっては飲み込んだり攻撃に転じてしまうことがあります。
正しくしつけない限り、犬には本能として『所有欲』があり、例えば野生のオオカミの世界でも、いったん口にした獲物は相手が明らかに上位のオオカミであっても、奪われまいとマズルに皺を寄せて唸ります。
「ちょーだい」を上手に教えるには、“等価交換”かそれ以上の「いいこと」による『引き換えゲーム』を用いて、取られっぱなしではなく、“咥えているものを離したらもっといいものがもらえるぞ!”ということを学習させていきます。
“拾い食い” “テーブルの上から” “自分のおもちゃ” 状況や咥えているものが何であれ、一度手に入れた大切なものを渡したら
もっと美味しい大好きなもの(=『いいこと』)がもらえた
<しつけ方>
最初はオモチャなどを手で持って咥えさせ、「ちょーだい」と言いながらもう片方の手で犬の口横にオヤツを持っていきます。
オヤツを食べるには今咥えているものを離さずにいられませんので、犬が口を離した瞬間オモチャを下げオヤツを与え褒めてあげます。そして、すぐにまたオモチャで遊びを再開します(取られっぱなしじゃない、ということを学習させる)。
このしつけを繰り返すことで、犬は「ちょーだい」の合図で自ら咥えているものを離すようになります。
by 倉西