世の中には、たくさんのペットシッター会社があり、そこで働くさまざまなペットシッター、そしてどこにも属さず個人で活動する数多くのペットシッターさんがいます。
ペットシッターのサービスは、「ペットの環境を変えずに、ストレスを軽減してお留守番させられるペットにやさしいサービス」とはいえ、あまり評判のよくない『いい加減な会社』や、ペットシッターとはいえ『身元の不確かな人』に、大切なペットや留守宅を任せようとは思えませんよね。
ましてや、ペットシッター選びで多大なストレスや時間を浪費し、お世話をお願いしている間も心配で心配でしょうがない・・では、せっかくのご旅行や出張、また入院などの際に、とても安心して専念することができません。
“ペットシッター選び”で最も重視したいのは『信頼性』です。
そこで今回は、ペットシッターを利用する際に不安に感じることや、信頼出来るペットシッターさんの選び方ついてまとめてみました。
ペットシッターをはじめて利用する人が感じる不安
鍵の不安~本当に合鍵を渡しても大丈夫?~
家族や親しい知人など、よほど身近な人以外に“鍵を預ける機会”というのは、そうそうあるものではありません。
セキュリティ面の不安、合鍵複製など悪用されることはないだろうか?といったネガティブな不安は、特にはじめてペットシッターを利用される方なら、誰でも浮かんでしまいます。
<鍵=留守宅=プライベートな空間であり財産>ですから、いくらプロのペットシッターとはいえ、「本当に大丈夫?」と大切な鍵を預ける行為には慎重になります。
家の中に入られる不安~見られたくないものを見られないか?~
ペットやお世話業務に関係ない部屋や、プライベートなものまで見られたりしないだろうか?といったプライバシーに関する不安もあります。なかには、「モノを盗まれないか」と犯罪を不安視するケースも。
もちろん、何かあれば真っ先に疑われるのは「ペットシッター」ですから、シッターは特に倫理観を持って業務に当たりますが、実際にご利用の経験がなければ、こうした「留守中に家に上がられる」ことに対する不安もよぎってしまいます。
料金の不安~後から高額な請求をされないだろうか?~
ペットホテルの場合は、人間がホテルを利用する感覚で“一泊いくら~”と料金設定や支払い方法についても馴染みがあります。
しかしペットシッターの場合は、いつ、どこで、どうやって支払い、何に対しオプション料金が発生するのか?など、初めて利用する場合は検討もつかないことも多いでしょう。
「商品」として形に残らない、また文字通り目の届かないところで行われるサービスですので、こうした実際のサービス内容や料金体系が明瞭化されていないと、多くの人は不安に感じます。
「お世話」に対する不安~ちゃんとお世話に来てくれる?~
どんな性格、雰囲気のペットシッターさんが来て、どんなお世話をしてくれるのか?
ちゃんとペットを可愛がって、こちらがお願いした通りのお世話をしてくれるだろうか?といった“お世話やシッターの人柄に対する不安”です。
当日になって万一キャンセルされたり、いざというときに全く連絡が取れなかったら・・など、責任に伴う不安もありますね。
ペットの不安~本当にひとりでお留守番できるかな?~
留守中ペットが体調を崩さず、シッターさんを受け入れ、お留守番を無事に過ごすことができるだろうか?
うちのコは人見知りするから・・?ペットシッターさんとの相性は・・?万が一お留守番中にペットがケガや病気になってしまったら・・?といった、大切なペットに対する『不安』もあります。
こうした不安は、特に欧米のような「シッターの文化」が当たり前ではなかった日本においては、誰もが普通に抱く心配事といえるでしょう。
実際に『ペットシッターを利用された経験がある』方のアンケートでも、「最初は他人に鍵を預けることに抵抗があった」という回答が一番多く上がっています。
ペットシッターには様々な形態がある
さて、こうした不安に対する解決方法、「信用できるペットシッターの見つけ方」を探る前に、まずは“ペットシッターには色々な活動形態がある”ということを知っておきましょう。
個人開業 |
個人事業主として開業し、個人でペットシッター事業を行うケースです。
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会社経営 |
ペットシッターの会社を立ち上げ、事務所や専用の窓口を有しペットシッター業を経営するケースです。
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フランチャイズ店舗 |
フランチャイズを運営する本部(会社組織)があり、その加盟店として活動するケースです。
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正式な手続きをせず開業(ヤミ) |
上記のどこにも属さない、いわゆる“もぐりのペットシッター”です。
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このように、ペットシッターには様々な活動形態があります。
個人であれ、団体・企業であれ、最終的にペットとの相性やシッターの適性が判断されるのは“人”ですから、個人だからどう、法人・団体だからどう、ということではありません。
では、大変長い前置きをしてきましたが、次にいよいよ“信用できるペットシッターの見つけ方“について、見ていきましょう。
信頼できるペットシッターの選び方
ペットシッターを選ぶ際、一番気がかりなのは、その人や会社が信用できるかといった“信頼性”です。
大切なペットの面倒を見てもらうわけですから、会社や企業としての理念はもちろん、担当するペットシッターさんの技量や経験、「親しみやすいだろうか」「何でも気軽にお願いできるだろうか」「鍵を預けても大丈夫だろうか」といった、“人となり”や“誠実さ”です。
肝心なペットとの相性などもありますので、こればかりは実際に会ってみないことには、正確なところは分からないかもしれません。ですが、ペットシッターという仕事に対する姿勢や、何かあった場合でもしっかり向き合って対応してくれるかどうかなど、その会社やペットシッターさんの『信頼性』については、ある程度事前にチェックすることができます。
HPで情報が開示されているか?
誰が、どんな資格を有し、どのような内容のお世話を、いくらで請け負い、万一の際にはどのような補償があるのか、など業務に関する詳細情報がちゃんと記されているかチェックしましょう。
誰が… | 担当してくれるペットシッターのプロフィールや詳細情報が掲載されている 一部のシッター(資格を有した数名)だけが記載され、実際に派遣されるのは情報のない無資格・未経験のシッターということもありますので、「誰が」来てくれるのか、担当シッターの情報の有無は必ずチェックしましょう。 |
どんな資格… |
「ペットシッター」や「動物」に関する専門の資格を有している |
どのような内容… |
ペットシッターは、ただのエサやり代行人ではない |
料金は… |
分かりやすく良心的な料金体系になっている |
補償内容… | 保険加入や補償がしっかりしている お世話対象が動物で、ペットシッターも人間ですから、どんなに注意していても不測の事態が起きてしまうことがあります。万が一事故が起きてしまった際、保険や補償はどうなっているのかも確認しましょう。もちろん、これらはHPでは公開せずとも、専用のパンフレットや契約書に記載されていることもあります。 |
『動物取扱業』の登録シッターである
<環境省HP「動物愛護管理法」より抜粋>
第一種動物取扱業※を営む者は、事業所・業種ごとに都道府県知事または政令市の長の登録を受けなければなりません。また、動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などの基準を守ることが義務づけられています。
第一種動物取扱業者は命あるものである動物を扱うプロとして、より適正な取り扱いが求められます。
登録せずに営業した場合や改善命令や業務停止命令に従わなかった場合は、100万円以下の罰金に処せられます。また、登録内容の変更を届け出なかったり、虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金に処せられます。
※ペットシッターは第一種動物取扱業
ペットショップやブリーダーなどの「販売業」、ペットホテルやトリミングサロンなどの「保管業」、その他「貸出し」「訓練」「展示」など、それぞれペットの事業や業種に応じて動物取扱業の登録が義務付けられています。
ペットシッターも“一時的にお客様のお宅でペットを預かり管理する”わけですから、「保管」業の第一種動物取扱業の登録が必須です。
環境省の定める「動物取扱業責任者」は、そのシッターが国の認可を受けた正規のペットシッターであることの証明です。
個人で開業している場合は(ヤミでない限り)、そのシッターさん自身が動物取扱業の責任者となりますが、注意したいのは会社・団体などで行っている場合です。
代表者のみ、または主力のペットシッターさんだけが動物取扱業の責任者であり、実際に派遣されるペットシッターが、この責任者資格を有していない※ケースが多くあります。
※動物愛護管理法では、ペットシッターひとりひとりが「動物取扱責任者」の資格要件を満たすこととしています
お願いする会社、ペットシッターさんが正規の動物取扱業者かどうかは、HPに以下の情報があるかないかで判別できます。
【動物取扱業者に記載が義務付けられている情報】
名称(個人の場合はフルネーム、法人の場合は法人名と店舗名) |
事業所の所在地 |
動物取扱業登録番号 |
取扱業種別(販売・保管・貸し出し・展示など)※ペットシッターの場合は保管 |
登録年月日 |
登録有効期限 |
ペットシッターに必要な資格を持っている
ペットに関わる仕事で、「この資格がなければやってはいけません」という、いわゆる国家資格が必要な職種は、動物病院の先生(獣医師)しかありません。
つまり誰でも、技術のあるなしを問わなければ、手を上げれば明日からトリマー、トレーナー、ペットシッターになることができます(もちろん動物取扱業の登録は必要ですが)。
特にペットシッターの場合は、動物を飼ったことがある方なら「お仕事のイメージ」もつきやすく、ブリーダーのような専門知識、ホテルのような預かり施設、トリマーやトレーナーのような専門技術がなくても、訪問型のサービスとして簡単に始められる印象があります。
しかし実際には、自分のペットではない色々な種類や性格の動物を、その動物のテリトリーであるお客様のご自宅で、ペットにストレスを与えず安全面に配慮し、お客様の希望に沿ったお世話を“たったひとり”で履行することは、相当なプレッシャーであり、想像以上の知識と技術が必要です。
お客様の留守宅に上がり、大切にされているペットのお世話をするわけですから、何か間違いがあっては取り返しのつかないことになります。
そのような責任の重さを理解し、仕事をする際に「動物の行動学」や万一の際の「医療知識」、ペットを扱う「ハンドリング技術」や適切な「お世話方法」を学ぼうとすることは、それだけでその人物の真摯に取り組む姿勢が伺い知ることができますね。
仕事のため、自分のため、引いてはお客様とその大切なペットのために、時間と労力をかけて向き合うことができるシッターは、知識/技術面は当然、そうした人間性においても信頼できるペットシッターといえるでしょう。
シッティング料金がわかりやすく、内容がペット福祉に寄り添っている
ペットシッターはサービス業ですので、そのサービスの質や内容に見合った料金である必要があります。オプション料金や追加料金として後から不本意に請求されないよう、料金プランやその案内がわかりやすく正確なところを選びましょう。
なかには、「金額を少しでも抑えたい」というニーズに向けた、少額プランを設けているところもあります。他と比べて割安だから・・と、良心的な金額プランに飛びついてしまいそうですが、ここでひとつ注意が必要です。
ペットシッターのお仕事(‥硬い表現をするならペットシッターの本分や社会的な役割)は、「ただペットに餌を与えて命をつなげばいい」というものではありません。動物はモノではなく、私たちと同じ感情ある生き物です。
10分単位、15分単位といった細かな時間設定を設けているところは、その時間内に業務を終わらせようと、仕事の主軸が“ペット”ではなく“時間”になってしまう恐れがあります。
短時間/低料金で複数の依頼を受けると、ペットが万が一体調を崩していたり、もっと遊びたがっている、寂しがっている、どこか体の一部を気にしている様子がある、といった何かしらの異変や感情の表れが見られても(時間が短いと、そうした変化にも気付かない可能性があります)、十分にそれらに対応してあげられるだけの時間がありません。
ペットシッターのサービスは、もちろん飼い主様に安心して喜んでいただけるためのものですが、イコールそれはペットのためのサービスでなくてはなりません。
お客様のお宅にタイムカードがあるような、そんな分刻みのお世話のあり方ではなく、ペットの健康チェックや遊びでストレス発散など、十分な時間を設けたペット思いのサービスを提供するペットシッターを選びたいですね。
必ず「事前打ち合わせ」があり、同じシッターが責任をもって担当してくれる
ペットシッターの仕事には、初回利用時の『打合せ』が欠かせません。
電話やメールだけのやりとりで鍵だけ送ってもらい、ぶっつけ本番でお世話に行くようなペットシッターは、とてもまともなペットシッターとはいえません。
ペットにとっても、いきなり見ず知らずの人が飼い主さんの不在時に上がりこんでくるわけですから、そのストレスや恐怖は想像に難くありません。ストレスを軽減させるサービスのはずの“ペットシッター”が、まさかそのシッター自身が“ストレスの元凶”となってしまっては、本末転倒です。
普段どのようなお世話をしているのか、どこに何があり、緊急の場合はどうするのか、またペットの性格や好きなもの(苦手なもの)、お散歩時の注意や細かなケア方法、ものの保管場所など、直接お伺いして時間をかけた「お打合せ」をしてこそ、本来のペットファーストのサービスが履行できます。
また、会社組織や団体にお願いした場合に気をつけたいのが、先にも述べましたが毎回担当シッターが変わってしまう恐れがある点です。
せっかく初回に『お打合せ』をして「いいシッターさんで良かった」と思っても、実際にお世話にくるのは、引き継いだ別のペットシッターということも珍しくありません。
もちろん、その引継シッターとも顔合わせをし情報を共有していれば別ですが、「また聞き」または「また聞きのまた聞き」で、いくら引き継がれた情報が正しくても、いずれにしてもペットにとっては“知らない人”が急に訪れることになってしまいます。
『誰が』責任を持って『最後まで』担当してくれるのか、不測の事態じゃない限りは、ペットのためにも慣れた同じペットシッターさんが来てくれるところが望ましいですね。
保険や補償内容がしっかりしている
万が一事故が起きてしまった際、どのような補償があるのか確認しましょう。
ペットシッターは動物を取り扱う仕事ですから、例えばペットにシッターが噛まれてケガをしてしまった際、または散歩中の犬が第三者に噛みついてケガを負わせてしまった際などに、飼い主さんに高額な請求をされてしまうかもしれません。
そのような事故やケガが発生した場合に、どのように対応し、どういった補償がされるのかも大切です。
個人であれ会社であれ、ペットシッター専用の保険に入っているところは、このような業務中の事故は保険でカバーされますので、飼い主さんに請求がいくことはありません(※加入している保険の内容にもよります)。
もちろん、保険に入っていないからといって、誠実に対応してくれないということではありません。しかし、特に第三者へ損害を与えた場合など、被害が高額になる恐れがあります。
こうした保険や契約内容がしっかりしていることも、後々のトラブルを防ぐ“信頼できるペットシッター”の見つけ方の一ひとつです。
まとめ
いかがでしたか?
信頼出来るペットシッターさんを見つけることができると、ペットのお留守番や、それに対するストレスも大きく変わり、自身の旅行・出張・入院などの際にとても安心してお任せすることができます。
初めは誰でも「不安」に感じるものですが、1995年の開業以来『信頼と安心』をモットーに活動してきたペットシッターSOSでは、シッターの育成、専門の資格、人物適性など加盟のための厳しい審査基準を設け、全店が「動物取扱業責任者」のプロのペットシッターですので、どうぞ安心して検討候補に入れてください。
この記事を参考に、皆様がお近くで長く付き合える“良いペットシッターさん”にめぐり会えることを願っています。
<信頼できるペットシッターの選び方・まとめ>
- 「動物取扱業」の登録されたペットシッターを選ぼう。
- HPやパンフレットでしっかり情報が開示されているシッターを選ぼう。
- 専門資格を有したプロのペットシッターを選ぼう。
- ペット福祉に富んだお世話をしてくれる業者を選ぼう。
- 必ず「打合せ」があり、毎回同じシッターさんがきてくれるところを選ぼう。
- 保険や補償内容がしっかりしているところを選ぼう。
- 誠実で親しみやすく、動物への知識や愛情、責任感のあるペットシッターを選ぼう。