アメリカでこんな猫の研究発表がされました。
猫と飼い主の絆は本物、ただし常に見せるとは限らず 米研究
猫は犬に比べると、人に対してよそよそしいと思われがち。しかし飼い主など安定した絆が確立された相手に対しては、犬と同じような反応を見せることを裏付ける研究結果が、23日の学会誌に発表された。
オレゴン州立大学の研究チームは、これまでに人間の赤ちゃんと犬や霊長類を対象に行った実験を当てはめて、猫の愛着行動について調べた。
人間の赤ちゃんの場合、親や保護者が短時間不在にした後に再会させると、親との安定した絆が確立されている赤ちゃんは、リラックスした様子で再び身の周りを探検し始めていた。一方、絆が安定していない赤ちゃんは、親を避けるかしがみつくかのいずれかだった。絆が確立されている赤ちゃんの割合は約65%だった。
今回は猫と飼い主を対象としてこの実験を実施。まず1つの部屋で猫と飼い主に2分間過ごしてもらい、その後飼い主が部屋を退出。2分後に飼い主が部屋に戻った時の猫の反応を観察した。
その結果、約65%の猫が、飼い主との安定した絆を確立していることが分かった。
飼い主が部屋に戻ると、絆が確立されている猫は、飼い主に注意を払いながら、再び身の周りの探検を開始した。
一方、絆が安定していない猫は、尾を動かしたり口元をなめたり、飼い主を避けるか膝に飛び乗って動かないなど、ストレスの兆候を示した。
今回の研究は、ネスレのペットフードブランド、ピュリナがスポンサーとなって実施された。研究者は、「ほとんどの猫は飼い主との間に安定した絆があり、それを使って新しい環境の安全を確認する」と指摘している。
→参考記事
本当に、色々な国で、色々な角度から「犬を知ろう、猫を知ろう」と様々なアプローチでユニークな研究がされていますね。
やはり、「知りたい」というのは人間の本質的な欲求であり、それが近しい存在であればあるほど、より強く相手を理解したいと思うのかもしれません。
今回の研究でも、人間の赤ちゃんと猫を比較するという斬新なもので、「親と安定した絆が確立した赤ちゃんは、親と少し離れた後再会してもリラックスした様子」という観点から、「同じ様な反応を見せる猫は、飼い主との安定した絆を確立している」と結論付けるものです。
奇しくも、安定した絆を確立している割合が人間の赤ちゃんの実験と同様65%ありましたが、ただ“環境の変化を認知できるかどうか”が肝であり、「認知できる大人の猫」と、もしかしたら1歳未満の「まだ自己認識できていない人間の赤ちゃん」では、やはり同列では語れないのではないか・・?なんて疑問も浮かんできます。
「性格」は「気分」にも由来するところがあり、猫ならなおさら「その気まぐれさ」が魅力のひとつだったりしますので、その日の体調、お腹の空き具合、ここまで来る移動手段やかかった時間など、猫に与えた様々な条件が、その日の気分や行動に少なからず影響を与えた可能性もありますね。
また、猫が普段どのように飼育されているか(完全室内飼いor外/半外飼いor家族構成or同居人数etc..)といった『経験』にも左右されますので、これを以って「飼い主にそっぽを向く、膝の上に乗ってじっとしている」=「飼い主との安定した絆が確立されていない」と決めつけるのは、やはり早計にも思えますね。
なんて、決して否定ばかりをしたいわけではありませんが、もっともっとこうした研究が色々な観点からされていき、どんどん深くよりペットを「知る」ことができたら、面白いかもしれいませんね。
もちろん、「知らない」から面白い。ということもあるでしょう。
全てを「これこれこうだからこうだ」と分析結果を提示されるより、一緒に生活しながら色々なことを発見して「深く知っていく」というのも、ペットを飼う醍醐味のひとつといえるかもしれませんね。
by 倉西