TVコマーシャルで流れる『にゃんぱく宣言』。
俺の体~俺より管理しろ~♪家の外に~出してはいけない~♪飼えない数を~飼ってはいけない~♪♪
さだまさしさんの「関白宣言」のメロディに乗せて流れるほっこりCM。
こちらは日本動物愛護協会の推奨する「終生飼養」「適正飼養」がテーマになっていて、評判も上々です。
しかし、なかには「なんで猫を外に出してはいけないの?」「閉じ込めておくなんてかわいそうだ」と思う人もいるようです。
確かに、昔は外飼いが当たり前の時代もありましたし、国民的アニメの飼い猫「タマ」も、家の中と外を自由にしています。
そんな疑問に分かりやすく答えている漫画がSNSで話題になっていますので、ご紹介します。
猫の外飼いをしている人に知ってほしい 『多くの危険』を描いた漫画に反響
猫の『外飼い』に潜む多くの危険
猫の外飼いについて漫画を描いたのは、猫のあずきさんと暮らす、のべこ(@yamanobejin)さん。現在も外飼いをしている人が多いことを受け、猫の飼い主に向けた注意喚起を漫画で描きました。
昨日ちょっと検索したら外飼派の多いこと…なにも意地悪で猫を閉じ込めておけって言ってるわけじゃないんだよ外には想像以上の危険があるんだって知ってほしい pic.twitter.com/OocKQviP6H
— のべ子🍄 (@yamanobejin) 2019年8月30日
一般的に、野良猫や外飼いをしている猫はこういった多くの危険にさらされるため、室内飼いの猫よりも寿命が短いといわれています。
「自由にさせてあげたい」と思う気持ちは、ペットを愛しているからこそでしょう。ですが、その『自由』は愛猫の命を危険にさらしてでも必要なものなのでしょうか。
また、ペットを飼う人は周囲の人のことも考えなくてはなりません。猫が苦手だったり、アレルギーを持っていたり、糞尿で被害を受けたりする人も存在します。
のべこさんの投稿に対し、多くの人から共感する声が寄せられました。
・ペットの放し飼いは、幼い子どもを1人で外に出すのと同じだと思う。飼い主は保護者。
・うちの子は猫アレルギーなので、放し飼いはやめてほしいです。そういう人もいるってことを知ってほしい。
・分かりやすい漫画ですね!これを機に、外飼いをしている飼い主さんの目に入ったらいいな。
・安全ならお外で遊ばせてあげたいけど、現実はそうじゃないですもんね。
もし外飼いをしている人がいたら、大切な家族を守るためにも室内飼いをいま一度考えてみてください。
→参考記事
猫は、自分のテリトリーが安全で、食べるものに困らず、安心してくつろげる場所があれば、わざわざ危険を冒してまでテリトリーを広げようとは思いません。
そして猫にとって一番安心できるテリトリーこそ、飼い主さんと一緒に暮らす“我が家”なのです。
感染症や交通事故などのリスクとは別に、そもそも「室内飼い」は猫にとって本当にかわいそうなのでしょうか?
過去のブログ「猫用AIドアで死んだ獲物をもってくる猫をブロック(2019.07.08)」より抜粋した以下の記事もご参考ください。
『完全室内飼い』はかわいそう?
室内に閉じ込めておくなんて可哀相だ、もともと外を自由にしていた動物だから、思い切り外で遊ばせてあげたい、と考える飼い主さんも多いでしょう。
しかし、何百年~何千年も前の時代の“猫”ならまだしも、代々人間に飼われ、人間社会に溶け込んできた現代の“猫”は、大人になっても「子猫の気持ち」を有した動物であり、自然界で生き抜くための智恵やスキルを必要としない動物なのです。自分で探さなくても餌がもらえる(親が与えてくれる)、いつまでも遊び相手がいる、安全で守られた場所がある、ということは、自立や独立をする必要のない、ずっと子猫のままでいられる(野生の猫にはない)特別な環境といえるでしょう。
そのような、人間との共存に遺伝子レベルで適応してきた猫が、そもそも『危険を冒してまで外で自由にしたい』動物なのかどうかも、疑わしいところですね。
室内でも猫が十分に上下運動できるような工夫、爪とぎの場所や落ち着けるエリアを用意してあげれば、そして適度な遊びで猫の欲求を満たすことができれば、『完全室内飼い』こそ、猫に適した環境といえるでしょう。
外を自由にさせるとテリトリー意識が広がる
一度でも外に出してしまうと、猫には本能でテリトリー意識が芽生えてしまいますので、今度は逆に『外に出られないこと(自分のテリトリーを確認できないこと)』自体が過度なストレスとなり、完全室内飼いに戻すことが難しくなってしまう場合もあります。
たとえ半分外飼いでも、外にいる間は室内にはない“野生の力”が試されますので、“大人猫としての独立心”が少なからず芽生えることになり、自分の力で確立したテリトリーは、日々安全かどうかパトロールしたくなるのです。
国民的アニメの猫が外飼いなのは、連載スタートが1946年と今から73年も前の時代背景からなのかもしれませんね。
食卓は家族団欒の正座で囲むちゃぶ台、家の電話はダイヤル式の黒電話。
その割には作中にデジカメや携帯、スカイツリーまで出てきたりしますが、そんな昭和~平成、そして令和の時代も飛び越えて、タマには事故も病気もなく元気でいてもらいたいものです。
ちなみに、昨日何年かぶりに久々アニメを見て、最後のじゃんけんはチョキで引き分けました。
by 倉西