サウジアラビアの砂漠地帯で、リードをつけて狩りに同行する犬の壁画が見つかりました。
なんでも8千~9千年前に彫られたとみられ、“世界最古の飼い犬の壁画”の可能性があるのだとか。
このブログでは、これまでもAIの進化や技術の発展による『人とペットの未来のアイテム』を紹介してきましたが、その真逆、はるか太古にこのような犬とのつながりを見つけると、また違ったロマンを感じますね。
では、ここで問題です。
犬が最初に家畜化された頃の用途として、考えにくいものは次のうちどれでしょう?
1.狩猟パートナー 2.伴侶動物 3.家畜の護衛
チック、タック チック、タック
ヒント・・
犬は最古の家畜といわれています。
チック、タック チック、タック
正解は・・
『3』
2の伴侶動物と間違われた方も多かったと思いますが、必ずしも狩猟のパートナーや敵味方といった存在ではなく、人間と生活する上で例えばケガを負ったり、親と死に別れた個体もいて、人間が看病したり世話しなければ生きていけない犬もいたことでしょう。
そのようにして人間の愛情を受けて育った犬たちは、大人になっても人々から離れることなく、その環境で子供を生み、可愛い子犬をまた人が好んで飼育する、といった生活への定着があったことも想像できます。
ただ、3の「家畜の護衛」だけは、考えられないことになります。
なぜなら、動物の家畜化第一号は犬だからです。人類が牛や豚といった動物を飼育し始めたのは、犬が家畜化されたずっと後のことですから、いもしない“家畜動物を守る”ことはできません。
しかし、8千年も9千年も昔の人は、何が目的でこのような壁画を残したのでしょうか。
なかには、人々と一緒にライオンに立ち向かう犬の壁画もあったそうで、当然ながら「ライオンも昔からいたんだなー」と感慨深いものを感じます。
一方では、シベリアの凍土から1万年前のライオンが見つかり、現在のライオンよりも大きかったといいますから、これまたロマンを感じますね。
今でも百獣の王として恐れられるライオン。それよりも大きな猛獣と犬と共に戦った史実を、ときに犬が人をかばい、人が犬を守り繰り広げた死闘を、その感動とドラマを残したかったのでしょう。
おはようからおやすみまで、暮らしを見つめるライオンの脅威から、犬たちは鋭い嗅覚と卓越した運動量で我々の祖先を守ってくれていたのですね。
by 倉西