お盆シーズン、犬を飼っている人は犬連れで帰省したり、また親戚が犬のいる家に集まってくる機会も増えるでしょう。
そこには大人から子供、またそこで飼われているペットなど、犬にとっては“初めての刺激”がたくさんあります。
頻繁に行き来している人や場所なら、犬も“よくある環境のひとつ”として受け入れてくれますが、一年に1~2回しか会わない人や環境に晒されると、犬はそれなりにストレスを感じてしまいます。
もし、犬自身が興奮して、または無遠慮に近づかれる恐怖から身を守ろうとして、親戚の小さな子供に歯が当たってしまったなら、飼い主さんは「申し訳ない」という気持ちからも、必要以上に手荒く愛犬を叱ってしまうかもしれません。
場合によっては、そこで初めて犬を叩いてしまうこともあるでしょう。
もちろん、犬に手を上げることは百害あって一利なしで絶対にいけませんが、小さな子供が大泣きすれば、また親戚の手前からも、ついついきつく叱りつけてしまうかもしれません。
こんな悲しい事故が起きると、
○犬は飼い主に対し『痛い』『怖い』という負の感情を抱く
○子供は犬に対して苦手意識を持ってしまう
○違う環境、来訪者を犬がよけい受け入れにくくなる
○次は犬を連れて行けない、または隔離しなければならない
など、これだけマイナスなことが起こります。
なぜ犬は親戚を噛んでしまうのか?
来訪者がたとえ分別のある大人でも、夏休みでテンションが上がっている子供でも、犬にとって“馴染みのない部外者”であることには変わりありません。
この人たちは敵か?味方か?普段の来訪者なら吠えたら玄関前で帰っていくけど(郵便や宅配など)、ズカズカ家に入ってきて飼い主と仲良く話してるぞ?!と自分のテリトリーを侵される混乱の中、先のような事故が起きてしまいます。
テーブルや臨時で出された座卓には美味しそうな食べ物が並び、明らかにいつもと違った異様な雰囲気です。大人からはもらえなくても、小さな子供が持っているお菓子やおもちゃなら奪えるかもしれません。
吠えてうるさいからとケージに入れられれば、普段自由にしているテリトリーを他の人や犬が侵害する理不尽さに気も立つでしょう。
こうした普段とは異なる環境から、犬は突発的に“噛む”という行動を引き起こしてしまいます。
決して犬にとっては“攻撃”の意味はなく、「近づかないで」「それ以上はやめて」と警告した末の威嚇<ちょっと歯を当てる>であっても、小さな子供には大変なショックで、大事になってしまいます。
来訪者にフードやオヤツを与えてもらう
飼い主さんの家でもあり、愛犬にとっても“我が家”であるテリトリーに気持ち良く迎え入れてもらうには、「お盆が何なのか?」の概念を持ち得ない犬にも伝わるような『お伺い』を立てる必要があるでしょう。
親戚の方々には犬が大好きなオヤツを持ってもらい、それを来訪時にお中元よろしく「つまらないものですが」と犬に与えてもらいます。
“オヤツ”が名刺代わりの挨拶となり、「誰!?ウマッ!めっちゃラッキー!でも誰?うまっ!ちょういいヤツじゃん!ゆっくりしてきー」と好印象で迎え入れてくれることになるのです。
ただ、もし普段から手でフードをもらい慣れていないコの場合は、勢い余って指を噛んでしまうかもしれませんので、フードをぽーんと投げてあげるだけでもいいでしょう。
“親せきが来た=いいことが起きた”という印象を与えることで、犬にも早期に「敵意がない=味方」であることが判断でき、その後の友好な関係につながります。
ただ、人が多く集まると、どうしても愛犬から目が離れがちになってしまいますので、飼い主さんは犬に不安を与えないよう、注意して見てあげるようにしましょう。
いかがでしたか?
親戚に吠えてしまう、興奮して噛みついてしまう、とお悩みの方は、ぜひ試してみてください。
それでは皆様、ペットと一緒によいお盆をお迎えください。
根本的に「犬の噛み癖」を直したい方は、こちらのコラムもご覧ください。
by 倉西