ひったくり犯から女性を守る野良犬のヒーローぶりが話題のこの動画。
舞台はヨーロッパの郊外だそうですが、野良犬が普通に道路にいる光景というのも、すごいですね(笑)
犬は緊張を読みとる天才ですから、“ワッ”とテンションが上がった二人のやりとりに刺激を受け、どちらが被害者、加害者という判断なく、二人の間に割って入っていったのかもしれませんね。
“逃げるものを追いかける”という本能が、あたかも犯人を撃退したように見えます。もちろん、本当に助けようとして、また犯人をこらしめようとして撃退した可能性もありますが、興奮している両者の間に入るというのは、犬のカーミングシグナルの一つです。
<一口メモ>
カーミングシグナルとは、不要な争いを避けるため、自分自身を、また相手を落ち着かせようとする行為のこと。
犬たちが遊びの追いかけっこをしているところに、別の犬がスッとその犬たちの間に割って入ると、今まで興奮して遊んでいた犬たちがフッと落ちついて、遊びをやめてしまうことがあります。
これがカーミングシグナルと呼ばれる、生まれつき備わったコミュニケーション能力、犬たち独自の非音声的言語です。
また、たとえば人間のお子さんがじゃれあっているところに、犬が「僕もいれてー!」と飛び込んでくるようなこともありますが、あれも実際には“遊んでほしくて”の行為なのか、もしくは“二人を落ち着かせよう、争わないようにさせよう”と思っての行為なのか、状況によっては後者の方が多いことがあります。
ですので、犬が散歩中もし何かに緊張や興奮するようなシーンがあれば、飼主さんがその刺激対象物との間に割って入る(犬の視界を遮るように)と、その行為が文字通り愛犬を「Calming」‐落ちつかせる‐効果を生みますので、ぜひ覚えておきたいですね。
by 倉西