夏真っただ中、こんな記事を見つけました。
気候変動の原因はイヌ!?~犬猫フードが環境に与える影響は大きい(研究)
参照元→the WOOR調査を行ったカリフォルニア大学の地理学者オキン氏によると「毎年米国で消費される動物由来カロリーの約25%を消費するのは、米居住の犬猫だ」といいます。
Washington Postは約25%という量について、「米在住の犬猫が主権国家を擁立した場合、肉の消費量で第5位につける」と非常にわかりやすく説明しています。肉の生産は植物を育てるのに比較すると、より多くの温室効果ガスを作り出します。米国科学アカデミー紀要によると、鶏肉1キロの生産では約3.7kg、豚肉1キロの生産では24kg、そして牛肉1キロの生産には1000kgの二酸化炭素が排出されます。オキン氏はペットフードに着目し、米国の犬と猫の数、平均体重、ペットフードの成分を計算することで、温室効果ガスの排出量を計算しました。
また、計算により、米国に居住する犬猫のフードを作るための温室効果ガスが気候変動に与える影響は、年間で約6400万トンの二酸化炭素からの影響に匹敵することもわかったそうです。これは年間で1250万台の車が年間平均11,346マイルを運転したのと同程度の影響だといいます。
オキン氏は、この数字はさらに大きなものになるだろうと指摘しています。米国では犬猫所有世帯数が右肩上がりで増えていること、ペットフードのリッチ化が進んでいることもこの状態に拍車をかけるだろうとみているそうです。
全世界的に見ても、ペットの数は増加しており、フード含有の肉の量や質が向上する傾向が続いています。ペットの幸せにはプラスとなりますが、環境にとってはマイナスの影響が大きそうです。
アメリカは世界でも有数のペット大国
アメリカは犬猫の数だけでも日本の人口をはるかに凌駕するほどのペット大国ですから、フードの総量ともなると話の規模が違いますね。
米在住のペットだけで消費する肉の量が、国別ランキングでも世界5位に相当するというから、そういった意味では一主要国が排出するエネルギー問題といっても過言ではないのかもしれません。
ペットが影響する地球温暖化とは
ただオキン氏も、やみくもに「ペットが環境を悪化させている」と言っているわけではなく、「私は犬も猫も好きですし、ペットの排除を勧める訳ではありません。ただ、我々はペットが与える全ての影響を考慮し、そうすることで彼らについての真剣な議論ができるようになると考えます。ペットには多くの利点がありますが、環境へのインパクトもとても大きいのです」として、人間が食べない部位の使用や非動物由来のたんぱく質を含める方法などを提案しています。
地球温暖化が叫ばれる昨今、まさか“ペットフード”にそれだけの影響があるなんて思いもしませんでしたが、こうした着眼点から見てみると、また違った意味で“人とペットとの関わりの深さ”を感じさせられますね。
ペットが影響する温暖化の課題と対策
とはいえ、環境問題のためにペットに少しでも生産エネルギーのかからないフードを与えよう・・と思う人が、はたしてどれだけいるでしょうか?
誰だって愛犬・愛猫には栄養のある、美味しいものを与えたい、と考えるはずです。
こうした問題は、何か一つだけを取り上げるのではなく、さまざまな影響と関連して考えていかなければ、本質を見失ってしまうかもしれませんね。ペットフードだけに焦点を絞ると、「うわっ、すごい数だなー」と思ってしまいがちですが、ペットフードに限らず、人間食でも廃棄されている食品は相当量に上り、全世界で生産された食品のうち、約3分の1が廃棄されているという事実から見れば、それにより無駄に排出されるエネルギーや温室効果ガス方が、はるかに大きな問題です。
日本はその中でもトップクラスの食品廃棄国ですから、ペットのことより、まずは自分の生活でできる環境改善やエコに取り組んでいきたいところですね。
夏なのに食欲が減らず体重が微増する私は、だから今日も残さずご飯を食べるのです。
by 倉西