ペットを飼っているご家庭だと、“豆まき”は犬や猫が落ちた豆を食べてしまいそうで、躊躇してしまいますよね。
私自身、最近ではまったくやらなくなりましたが、子供の頃はそれこそ一大イベントで、兄弟三人代わる代わる鬼役をやるものの、みんな本気で豆を投げてくるので、お面の上からでもバッチバッチ当たってめちゃくちゃ痛く(目の穴の部分を狙ってくる)、それはもう一触即発のリアル鬼退治でした。
ちなみに、当時飼っていたシーズーもワンワンと応戦していましたが、室内にまくと食べてしまうので、うちの豆まきはもっぱら「鬼は外」がメインでした。
とはいえ、愛犬はしばらくの間、お散歩に出るたび玄関付近を必死にクンクン(たまにパクッと)するのが、節分後の慣例となっていましたが(笑)
犬や猫に節分の豆はNG
豆は体にいいイメージがあり、形状もペットフードやオヤツに似ているため、犬や猫に与えても大丈夫なように思えます。
しかし、一般的に豆まきで使われる豆は「炒った大豆」であり、表面は硬く、丸飲みする習性のある犬や猫では、消化不良を起こす恐れがあります。
ただでさえ犬や猫は植物性たんぱく質を消化するのが苦手ですから、豆がそのまま便から排出されることも。これは体の小さな猫や小型犬にとっては大きな負担で、下痢や便秘の原因、また肛門を傷つけるなどのリスクもあります。
それ以前に、そのサイズや形状から喉や胃に詰まらせてしまう危険もありますので、小さいものを1~2粒と少量程度なら問題ありませんが、まいた豆をそのまま放置して、バクバク食べさせてしまうことのないように気をつけましょう。
豆は犬や猫にとって有害な成分が含まれている
“畑の肉”と呼ばれるほど豊富なたんぱく質が含まれる大豆には、大量に摂取すると膵臓肥大の原因となる「トリプシン・インヒビター」という成分も含まれています。
長時間加熱処理された豆腐や納豆などの加工食品なら毒素は消え問題ありませんが、炒った程度の大豆では、やはりあまり与え過ぎない方が良いでしょう。
大豆アレルギーの注意
犬や猫も、人間同様“大豆アレルギー”をもっている子がいます。
アレルギーをもった犬や猫がアレルゲンである大豆を口にすると、涙目、くしゃみ、抜け毛や痒み、嘔吐や発熱といった症状があらわれます。
近年、大豆アレルギーの犬猫が増えているといわれていますので、こちらも注意したいところです。
安全にペットと豆まきを楽しむには?
それでも「豆で邪鬼が払えるなら安いものだ!」と、どうしても豆まきを敢行したい方には、次のような方法をお勧めします。
<ペットを隔離する>
クレートやサークル、または別の部屋にペットを隔離して、思う存分豆をまきます。
しかし終わった後は、ペットを戻す前に、それこそマメに掃除しましょう。
<食べても大丈夫な代用品を使う>
ペットと一緒に豆まきを楽しみたいなら、ペット用のボーロなどをまくとよいでしょう。
ただ犬や猫に「年の数だけよ」といっても通用しませんので、カロリーが気になる場合はペットフードをご飯代わりにまくのも方法です。
納豆の健康メリット
以上のように、生の大豆や節分豆は危険がありますが、“納豆”は犬や猫の健康にとっても大変有益です。
納豆には「ナットウキナーゼ」という血栓を溶かす酵素が含まれていますので、脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立ちます。
また豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維が、犬猫の骨を強くカルシウムを吸収しやすくし、腸内環境を整えます。
とはいえ、あのネバネバが苦手な子もいますし、その後のお手入れが大変な場合は、納豆サプリメントを代用してもよいでしょう。
いずれにしてもアレルギーには注意が必要で、また当然ですが醤油やカラシ、ネギなどは一切不要です。
ということで「ペットと豆まき」についてまとめてみましたが、ぜひこれらを注意して、ペットとの豆まきを楽しんでください^^
by 倉西