12月に入り、いよいよ冬らしい寒さになってまいりましたね。
冬は“寒さ”と“空気の乾燥”から、ペットも人間同様くしゃみや鼻水など呼吸器系の疾患が出やすくなります。
猫にこんな症状が出たら要注意
特に猫は「猫ウイルス性鼻気管炎」通称‐猫インフルエンザ‐とも呼ばれる感染力の高い病気がありますので、くしゃみや目ヤニ、鼻水が出るなど人間の風邪と酷似しているような症状を見せたら、注意が必要です。
鼻炎で臭いが分からなくなると食欲が落ち、ますます体力・気力が低下し病気への抵抗力も失ってしまいますので、早めにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
『尿』の回数や状態にも気をつけよう
また、寒い季節は暖かいところでじっとしていることが多くなるので、どうしても運動不足になりがちです。
あまり動かず喉が渇かなければ水を飲む量も減少し、飲水量が減れば排尿の回数も減るので尿が濃くなり、それだけ結石ができやすくなります。
尿路結石は尿毒症や膀胱破裂などの大きな病気の引き金にもなりますので、オシッコのときに「少しずつ時間をかけて出す」「間をおいて何度も出す」「量が異常に少ない」「赤っぽい」などの異常が見られたら、危険シグナル。過去に泌尿器系の疾患にかかったことがあるコの場合は、冬は特に注意して尿の状態をチェックしましょう。
暖房器具による「火傷」に注意
猫は“寒さが苦手”、というよりは、“熱さに対し鈍感”なところがありますので、ストーブやファンヒーターで被毛を焦がしてしまうことも珍しくありません。
また、ホットカーペットの上で熟眠し、低温火傷を負ってしまうケースもありますので、危険な暖房器具の使用は極力お控いただき、近づきすぎない工夫(サークル等)を施したり、タオルを敷いたり逃げ場を作る、タイマー機能を使うなどして、温めすぎないようにしましょう。
なぜ猫は「熱さ」に鈍感なのか?
寒さに弱いとされる猫が、それでも真冬の屋外で裸一貫過ごせるのは、全ては全身を覆う被毛のおかげです。しかしこれは、自然界ではまぎれもない長所であっても、人工的に不自然な熱を作り出す人間環境においては、大きな短所とも成り得るのです。
“体温”を逃がしにくく“冷気”の浸透を防ぐ機能は、逆に言えば“熱気”まで適度に遮断して体に伝えるため、「熱い」と感じた時には既に被毛が焦げている、また被毛が相当焦げてもなお皮膚には“熱さ”が伝わらない、ということがあるのです。
自然に近い“湯たんぽ”を活用しよう
各メーカーから、様々なペット用湯たんぽが販売されています。
電子レンジで温めるタイプのものや、簡易的なものであれば耐熱用のペットボトル(※キャップがオレンジ色or飲み口部分が白色)に60度前後のお湯(沸騰したお湯に同量の水を足すと約60度)を入れて、厚手の靴下などにすっぽり入れて口を結ぶだけで、プチ湯たんぽができてしまいます。
いずれの場合にも、動くのがおっくうで感度が低下している老猫の場合は、同じ箇所にあたりすぎて低温やけどを起こさないよう注意が必要です。
以上、冬に気をつけたい病気と寒さ対策を見てみました。
何より猫のお世話をする飼主さんやペットシッター自身が健康であることも大切ですので、寝込んで猫のお世話に支障をきさないよう、この冬も元気に乗り越えましょう。
by 倉西