今朝、シカゴマラソンで2時間5分50秒の日本記録を達成した大迫傑(すぐる)選手がテレビ番組に出演していて、その走法はマラソン強国のアフリカ人選手に多い「フォアフット走法」といっていました。
フォアフットとは、つま先から着地する走法のことで、昔さすらいのジョガーだった私もトライしたことがありますが、ふくらはぎがパンパンになるほどハードな走法です。
しかし、2時間ちょっとで42.195キロを走るとか、むちゃくちゃすごいですよね。
世界記録は2時間1分39秒ですが、これは100mを約17.3秒で走る計算になり、小学6年生の男子100m走の平均(17.06秒)に匹敵するスピードです。
つまり全国の小学6年生が100mずつ全力でバトンを渡していって、ようやくこの選手と421人目の少年が並んでゴールできる、という計算です。それはそれで見てみたいですね(笑)
犬や猫は“常時フォアフット”走法
さて、この「フォアフット(つま先)」ですが、犬や猫たちは常に“つま先立ち”の状態で歩いたり、走ったりしています。
犬猫の足跡でよく見る このマークも、足裏全体ではなく“指先だけの足跡”ということになります。
彼らの“かかと”にあたる部分は、実はパッドよりずっと上についていて、歩くときに地面に接することはありません。
例えるなら、私たちが爪先立ちで歩いているようなものですね。
犬猫の歩き方の特徴
このような肉食動物特有の歩き方を指行性または趾行性(※どちらも「しこうせい」)といって、地面との接地面積が少ないことで足を蹴り上げる労力を省き、機敏に、そして長距離走れるように進化していきました。
なるほど、ボクシングのフットワークや陸上のクラウチングスタートなどをイメージすれば納得ですね。
また、どれだけお散歩で長時間歩いても元気いっぱいなのは、普通に歩く分には常に2本以上の足が地面について体重を支えてくれるため、ほとんど負担がかからず疲れにくいからという理由もあるのです。
「歩く」と「走る」の歩様の違い
ご存知の通り、犬や猫が“歩く”ときと“走る”ときでは、その歩様に大きな違いがあります。
歩くときは左右対称に前後肢が出て、後足跡が前足跡を越えることはありません。
しかし走り出すと、後肢二本で跳ね前肢二本をほぼ同時につき、後足跡は前足跡より前につく跳躍前進になります。
バネのように全身を伸び縮みさせ、爪がスパイクとなりパッドが地面との衝撃を吸収し、グレイハウンドなど足の速い犬種ともなると、時速60キロ以上のスピードにまで達するのです。
マラソンを走り切るのは困難ですが、日頃からワンちゃんのお散歩をされている方は、とてもいい運動と気分転換ができていると思います。
ご自身のさらなる運動のためにも、安全な場所で少しずつスピードを上げ、どのくらいのスピードのときに愛犬が“跳躍前進”になるか、確かめてみるのも面白いかもしれませんね。
by 倉西