こんな記事を見つけました。
犬に襲われる被害を防ぐ「バーチャル犬」が開発される
イギリスでは犬に襲われてケガをするという事故が多く、2013年には6740件もの被害が報告されました。そこで、イギリスで犬の福祉慈善団体として活動している「Dogs Trust」とリバプール大学のバーチャルエンジニアリングセンター(VEC)は、犬に襲われる被害を減らすために「バーチャル犬」を開発しました。
「犬の習性を知らないことが原因で犬に襲われる被害が多い」と考えた研究チームは、「犬が誰にも近づいてほしくないときの行動」をはしごを使って示した『攻撃へのはしご(Canine Ladder of Aggression)』を元にバーチャル上で再現し、どのような行動を取ったときに犬のストレスが増加し、人を襲う行動をとるかを分かるようにしました。
「同じ心理状態となった犬はバーチャル犬と同様の反応を示すことから、多くの人がこれで犬の危険行動を理解できれば、被害を減らせる」と説明しています。
日本でも犬の咬傷事故は年間4000件以上あり(環境省のデータによると平成26年で4,634件)、例えば30年前に比べて1/3程度に減ってきているとはいえ、まだまだこうした事故は多く見られます。
動画のバーチャル犬のように、「嫌だ」「それ以上近づかないで」と警告している犬に、それでもズカズカ近づいて噛まれてしまうケースは少ないかもしれませんが、犬好きの人の中には“初対面のワンちゃんにもスキンシップ”を求めたり、“犬も人に撫でられるのが大好きだ”という先入観を持っている人が多くいるのも事実です。
もちろん、社会化されていて、誰にでも人に触られるのが大好きなわんちゃんもいますが、状況や性格によってそうじゃない子もたくさんいます。
犬に噛まれないように接するには?
犬から好意を持って近づいてきてもらうようにすることです。
この人は誰だろう?危害を加える人だろうか?警戒を解いてはいけない相手だろうか?と、犬がまだ警戒心を抱いているなか不用意に近づいたり、手を出すのは得策ではありません。
私たちだって、何の情報もない初対面の人に、急に近づいきてハグされたら、軽いパニックですよね(笑)
まずは相手に好意を持ってもらうこと。例えば名刺代わりにフードやオヤツを与える、などです。
噛まれる事故はこうして起きている
意外かもしれませんが、噛まれる事故の大半は、ノーリードよりもリードで繋がれている状態で起きています。
<平成26年度> | ||
リード | 犬舎係留・リードで散歩中 | 2,169件 |
ノーリード | 放し飼い・放浪犬 | 1,312件 |
実に、ノーリードの倍近い発生率です。
“逃げ場の無い”恐怖が、それだけ犬を攻撃に転じさせてしまっている、ということが分かりますね。
もっとも多いのが「通行中」の事故ですから、お散歩などでのすれ違い時には、十分な注意が必要です。
後書き
こうしたバーチャル犬は、現在は人と犬との距離のみで反応していますが、今後は人間の行動に対する反応なども再現していくとのことですので、“犬のネガティブな気持ちの表れ”、“噛まれるかもしれないリスクの回避”を、まずはバーチャルの世界で安全に学べるようになっていくかもしれませんね。
しかしペットシッターの場合は、もちろん行動学を勉強しているプロが接するため事故自体は非常に少ないのですが、犬に噛まれるケースよりも、猫に噛まれたり引っ掻かれるケースの方が多かったりします(笑)
分かりやすく『警告』してくれる犬バージョンより、突然スイッチの入るバーチャル猫も開発してくれたら嬉しいですね(笑)
by 倉西